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研修会

福島県建築設計協同組合研修会の開催について

2017.10.18

 今年度の事業計画に上げていた「プロポーザルのあり方」の検討と「基本構想策定業務の事例報告会」を併せた「研修会」を10/13(金)~10/14(土)の日程で、二本松市にある「福島県民の森:フォレストパークあだたら」で開催しましたが、約40名の組合員が参加しました。

 第一部「基本構想・計画策定業務の事例報告会」では、(株)杜設計の鈴木宏幸代表取締役から「伊達小学校改築基本計画」について、(株)白井設計チームの白井武男代表取締役、鈴木設計部長、(有)鈴木設計の鈴木勇人代表取締役からは「三春町役場庁舎及び周辺関連施設整備基本構想」について、それぞれ構想・計画概要説明と併せて発注者協議、関係者要望、議会対応等を経ての企画・提案やスケジュール管理、さらにはBIMによる三次元空間構成のプレゼンテーション手法などが報告されました。
 振り返ってみれば、これまで自治体等が施設整備を進める上で重要な基本構想・計画の策定は、総合コンサル(大規模施設)がその役割を担い、事業概要・事業費概算程度の作業は自治体担当職員(小規模施設)が行ってきました。その結果、別途発注となる基本設計・実施設計の作業時に事業計画やプランの見直し(事業規模、工事費、関係法令チェック等)の手戻り作業が発生することも多々ありました。
 基本構想・計画を含めた設計・工事監理の一連の対応は、事業をスムーズに進める上で大変重要なポイントであります。当組合としては今後の営業戦略(発注者支援)の一つとして自治体の理解が得られるように広報していく必要があると感じています。

 次に第二部の「プロポーザルのあり方に関するワークショップ」ですが、はじめに会津大学短期大学部の柴﨑恭秀教授に「プロポーザルのあり方に関する考察~審査員の視点から~」と題して講演をいただきました。設計事務所勤務でプロポーザル応募者の経験がある同教授は、「発注者のプロポにのぞむ姿勢が大切である」とした上で、①提案書の内容を理解したうえで、プロポは企画提案能力を審査・評価する作業であること、②依頼されたプロポの内容を十分吟味したうえで、審査員を受託(受託率4割で6割は辞退)していること、③公平性・透明性に配慮し、疑似プロポにならないようにしてほしいこと、④相対評価や絶対評価等の評価基準の採用により選定者が異なるケースがあることなど、これまでの経験を基に講演いただきました。大変参考になりました。
 その後に開催したワークショップは6グループに分かれて、ポストイット方式で行い、①提案書のあり方に関すること、②審査及び審査員のあり方に関することを中心に意見を述べ合い、その結果をグループごとに発表いただきました。今後、発表された内容は10月末までにまとめ、11月以降のプロポーザル等委員会での議論・検討に反映し、年度内には一定の方向性を示すこととしています。
 全体を通しての感想ですが、大変密度の濃い研修会で参加いただいた組合員の皆さんの熱心さに感銘を受けました。また、会場準備や後片付けなども積極的に行っていただき有難うございました。特に宿泊いただいた若手所員の皆さんには翌日の後片付けまで参加いただき「感謝、感謝」でございます。
 毎年、組合員のためになる研修会を開催したいと思いますので「開催テーマ」について意見があれば理事の方々や事務局に要望願います。(研修報告は専務理事の佐々木でした。)

 ※本ワークショップに関する資料については、こちらをご覧ください。
 ワークショップの開催[PDF形式]
 ワークショップ全体プログラム[PDF形式]
 ワークショップ(グループ表)[PDF形式]
 柴﨑教授プロフィール[PDF形式]
 ワークショップ撮影写真[PDF形式]